2010年7月31日土曜日

漢方de元気! Vol.13

自然の法則を大切にした 正しく美味しい食生活
それが薬膳の基本です。

薬膳の基本 その1 一物全体

ひとつのもの(一物)を全て(全体)食べる。それが自然の
法則に従った食べ方。
食べ物となる動物や食物は、もともとひとつの(いのち)。
その「いのち」に無駄なものは何もなく、生命に必要なものが
全て備わっています。
野菜は出来るだけ全体を利用する、小魚を丸ごと食べる、
精製される前の黒砂糖や粗塩を使う・・・
全てが一物全体の思想に基づいた食事法です。

薬膳の基本 その2 身土不二

その土地で育ったもの、季節の旬のものが体にとってよいもの。
何故なら人間も大自然の一部であり、住む土地の気候や風土
から切り離すことはできないからです。
長い歴史の中で農耕民族として生活してきた日本人は、穀物を
主食に、豆や野菜、海藻を食べてきました。
そして体もそれらを消化しやすいつくりになっています。

漢方de元気!Vol.13 最後までお読み頂き、ありがとうございました。

次回発信は、8月7日(土)です。


2010年7月24日土曜日

漢方de元気!Vol.12

冷房による「夏冷え」には、余分な水分を出して
「体を温める」工夫を!

夏冷えの原因は、冷房で体を直接冷やすことだけ
でなく、冷たい食事や飲み物を多くとることにあります。
キンキンに冷えたジュースやビールを一気に飲んだり、
食欲がないからと、ざるそばやそうめんだけですませて
いると、体が冷えるだけでなく、胃腸などの消化器系の
働きが弱り、余分な水分も溜まってしまいます。
この余分な水分である「湿」(湿気)があると、体は更に
冷えやすくなるのです。夏冷え対策には、余分な水分を
出すものと、体を温めるものを組み合わせましょう!

余分な水分を出すものの中には、きゅうりや冬瓜など、
体の熱を取る働きを併せ持つものが多いので、生のまま
食べず、炒めたり煮たりと、加熱調理して食べると、体を
温める効果が高まります。

温性の薬味野菜(しょうが、ねぎ、にんにくなど)と組み合わせ
てもいいですよ。

体を「温める」食べ物・・・かぼちゃ、にら、にんにく、しょうが
赤唐辛子、青じそ

余分な「水分」を出す食べ物・・・きゅうり、冬瓜、とうもろこし
香り野菜、豆類、そば、海草、あさり、しじみ

体質に合わせて食べよう 〔夏の果物〕

夏においしい果物ですが、体を冷やす性質を持つ涼性のもの
が多いので、冷房に弱い人は、食べ過ぎに要注意!!
冷えが気になる人におすすめは、温性の桃。 また、ブドウは
涼性、温性のどちらにもかたよらない平性なので、体質を
選びません。

涼性・・・梨、びわ、バナナ、キウィ、すいか、メロン

温性・・・桃

平性・・・ブドウ
☆ トピック二十四節気 【 大暑 】

* 。. ピックアップ生薬 ~ ハス . 。*

最も暑い、とされる時季。夏やお盆を連想させる蓮の花も
そろそろ見頃です。よく “ 蓮の花が開く時、『ポン』と音が鳴る。”
ということを聞きますが、実際には音はしないそうですね。
漢方的に見ても、花・葉・根・実と、余すところなく薬効がある、
ありがた~い植物なのです。

今回は、そんな蓮の効用をご紹介

 ☆ 実:連肉・連子(レンニク・レンシ) 
  
胃腸を整え、下痢止めの作用があります。  
神経を静める働きがあり、イライラや不眠症にも。
清心蓮子飲という漢方薬にも用いられています。
真ん中にある緑色の芽の部分は“ 蓮子芯”といい、   
心の熱をとる作用があるとされています。 

    
 ☆ 葉:荷葉(カヨウ) 
  
熱をとる働きがあり、身体の余分な水分を取り除いてくれます。 
ダイエット効果・下痢止め・止血の作用も。
血液の循環を活発にし、ダイエット効果もあるとされています。   

 ☆根:蓮根(レンコン)   

身体の熱を鎮める働きがあります。   
血が熱を持つことで起こる鼻血・吐血等の止血作用。   
胃腸の調子を整え、痰を切り、咳にも効果的。

☆ 花:香りによるリラックス効果。  
 
コラーゲンが含まれており、美容・美肌にもよいと言われています。
中国や台湾・韓国では、花そのものを乾燥したものに湯を注ぎますが、   
ベトナムでは、茶葉に蓮の花の香りを移したものが蓮花茶として
親しまれています。

○。薬膳的使い方。○

状況に応じて部位の使い分けを。蓮の実のポクポクとした食感は、
デザートにもお勧めです。連芯茶はイライラして眠れない時や、
これからの暑い季節におすすめですが、苦味があるので、
量を加減して。蓮葉はお茶として飲む他に、料理を包んで蒸し、
香りと効用を料理に浸みこませるという使い方もよいでしょう。 

漢方de元気!Vol.12 最後までお読み頂き、ありがとう
ございました。

次回発信は、7月31日(土)です。

2010年7月19日月曜日

漢方de元気! Vol.11

2日も発信が遅れ、すみません。

暑くてのぼせるときは、「体の熱を取る」ものを!

夏の暑さは、体に熱を溜め、疲れや不快感を
招きます。そんな時には、体を冷やす「涼性」の
食べ物をとり、熱を取り除くことが大切です。
夏が旬の野菜には、涼性のものが多いので、
暑がりの人や、のぼせやすい人は、積極的に
とりましょう。

また、肉中心のこってりした料理や、味の濃い料理
辛味の強い料理、食べ過ぎなどは、体に熱を発生
させやすいため、要注意!!

野菜中心のあっさりしたメニューで、薄味を心がける
ようにしてください。

体の「熱を取る」食べ物

夏野菜・果物・・・きゅうり、冬瓜、にがうり、とまと、なす
セロリ、もやし、すいか、メロン、キウィ

その他・・・豆腐、春雨、麦、そば、そうめん、わかめ
かに、ミント、緑茶

漢方de元気!Vol.11 最後までお読み頂き、ありがとう
ございます。

次回 発信は、7月24日(土)です。

2010年7月9日金曜日

漢方de元気! Vol.10

夏バテでだるい時は、「元気が出る」ものを!

汗をかくことの多い暑い夏は、汗と一緒に
「気」(やる気、元気のパワー)も消耗するため、
疲れる、だるい、やる気が出ないなど、いわゆる
「夏バテ」の症状が表れます。

夏バテ防止には、先ず「気」を補うものを食べる
ことが大切です。

更に、ここシンガポールや日本の夏は高温多湿で、
体内にも余分な水分である「湿」(湿気)がたまりがち
です。 「湿」は、胃腸などの消化器系にダメージを
与え、食欲不振や消化不良を招き、疲れやだるさを
悪化させます。「気」を補うものとともに、「余分な水分
を出す」ものを食べましょう。
また、香りのものも、食欲を高め、胃腸の調子を
整える事で「気」を補います。

食欲がない時は、「よく噛んで、ゆっくり食べる」
「冷たい飲み物はゆっくりと飲む」など、胃腸を
いたわる工夫をしましょう。

「気」を補う食べ物

(豆類) 大豆、枝豆

(ねばねばしたもの) おくら、長いも、わかめ、納豆

(香りのもの) 青じそ、しょうが、みょうが、玉ねぎ
セロリ、にんにく

(その他) 梅干、しじみ、いか、たこ、あじ、うなぎ
すずき、肉類、とうもろこし、じゃがいも、かぼちゃ
ごま、松の実、酢

どうぞ皆様、少し気にしてお食事をしてくださいませ。

漢方de元気!Vol.10を最後までお読み頂き、
ありがとうございました。

次回 発信は、7月17日(土)となります。

2010年7月3日土曜日

漢方de元気!Vol.9

お陰様で、薬膳BAR 花時計は2010年6月30日(水)
#03-49 Orchard Plaza @ Singaporeに無事
オープンさせて頂きました。

これからもどうぞご支援宜しくお願い申し上げます。

薬膳とは?

『薬膳』とは、漢方(東洋医学)に基づいた栄養学=
食の知恵。 簡単に言えば、「毎日の食事でげんきになる!」
という考え方です。
薬膳では、人間の心と身体を自然の一部と捉え、
特に季節の変化に応じた食事を大切に考えます。
つまり、自然のパワーが備わった「旬」の食べ物で、
その季節のトラブルを予防・改善していくのです。
また、食べ物にはそれぞれ、心と身体に与える
様々な特徴があり、気になる症状に合ったものを
食べることも、薬膳の基本になります。

日本は四季がありますが、当地では
日本の夏の食材が、なるほど!と当てはまります。



枝豆には、やる気、元気の「気」のパワーが

梅干の酸味は、疲労回復に効果的

きゅうりは身体の熱を冷まし、余分な水分
を取り除きます。

オクラの粘りは「気」を補い、夏バテ予防に
おすすめ

なすは身体にこもった熱を取ってくれます。

私の大好きなフィッシュヘッドカレー
必ずオクラとなすが入っていてびっくりしました。
皆さんも、ちょっと気にして食材を見てみてください。
次回 もう少し詳しくお知らせさせて頂きます。

漢方de元気!Vol.9 最後までお読み頂き
ありがとうございました。

次回発信は、7月10日(土)になります。